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2012年10月28日 (日)

北杜夫さんのこと(最後のサイン本と万能ハガキ)

昨年10月16日放送の「NHK短歌」に、ゲストとして斎藤由香さんをお迎えした。輝子さんのお話、そして茂吉・北杜夫・由香という3人の文芸についてなど、本当に楽しいお話をしたのだった。北杜夫さんは、この放送をご覧になり、歌集『寂光』の歌について述べたくだりなど、たいそう喜ばれたそうで、有名な万能ハガキと、サイン入りの「酔いどれ船」を送ってくださった(ハガキは角川書店気付で届き、学芸の人々を驚かせたそうだ)。

相手は『楡家の人びと』の作者であり、大歌人斎藤茂吉の次男である。ぜひ一度お会いしたいと切望したが、北さんは、その10月24日に突然、亡くなられた。これはショックだった。

昨日の午後、世田谷文学館の「斎藤茂吉と楡家の人びと」展へ行った。充実したみごとな展覧会で、特に楡家のフィクションの年譜と斎藤家の現実の年譜の対照が良かった。斎藤由香さんと磯崎憲一郎さんの対談も聴くことができ、由香さんとも少しお話しした。由香さんによると、私が去年北さんからいただいた本のサインが、彼の最後のサインなのだそうだ。ハガキのほうも、亡くなる二日前午後の消印がある。

「NHK短歌」では、ほかにも運命を感じさせるできごとがあったが、これが一番の事件だったし、これ以上はおそらくないだろうと思う。

(坂井)

Photo20111022

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