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2015年7月 6日 (月)

『ひまわり』と『悲しみの青春』

ヴィットリオ・デ・シーカ監督は、『ひまわり』を失敗作、『悲しみの青春(フィンツィ=コンティーニ家の庭)』を成功作とみなしていた。『ひまわり』は主役が大物過ぎ、製作者の意向でメロドラマになり過ぎた。これに対して、『悲しみの青春』は、冷酷な光の満ちた思索的芸術品であり、アカデミー外国語映画賞とベルリン映画祭金熊賞を受賞した(興行的成功は、もちろん『ひまわり』のほうだ)。

小説家や詩歌人は、自分の裁量だけで創作できるから、こんな悩みはないのだろうと人は考える。たしかに、創作の現場でプロデューサと怒鳴り合うようなことは無いが、これに近いことはしばしばあるのだ。

こうした葛藤は、悪いことばかりではない。自分の作品や評論が、出版社やテレビ局からどう見られるのか、今の世間ではどういうことをすれば受けるのか、などを知ることは、しばしば自分を相対化することにつながる。その上で創作者としてどう意地を張るのかが、次に問われることになる。(坂井)

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