アニメ・コミック

2013年9月16日 (月)

進撃の巨人

『進撃の巨人』。累計2300万部というから、今一番売れている漫画のひとつといってよいだろう。海外での人気もすごいようだ。同僚から聞いて、キンドルにダウンロードして読み始め、このあいだの日曜に11冊、一気に読み進んだ。

『新世紀エヴァンゲリオン』や『鋼の錬金術師』も、ずいぶん悲惨な世界観・人生観だと思ったが、これほどではなかった。とつぜん多数の裸の巨人があらわれて人間を食べまくる。人は壁を作って自分たちの社会を守ろうとするが、これを超える超大型巨人があらわれて、巨人たちを壁の中に入れる。このとき、たくさんの人間が巨人に食べられ、人間はさらに内側の壁の中においつめられていく。巨人相手の絶望的な戦いに人類はただの一度も勝つことなく食べられ続け、犠牲者は増え続ける。

人類ぜんぶが、いやおうなく一気に生存の危機にみまわれるのだが、小惑星の衝突とか、最終戦争とかではなく、一人一人が裸の巨人に食われていくのである。グロの極、最低の終末感ともいえる。エヴァに乗って戦うなど、これに比べると牧歌的なものだ。

この漫画については、私もこれから何度か触れる機会があると思うが、まずはひと言だけ。

巨大堤防を越える津波、軍事大国の圧力、老人社会の頑迷など、私たち(特に若者たち)の生きる世界は煉獄より地獄に近いものだ。『進撃の巨人』の世界観は『バイオハザード』や『イーオン・フラックス』のそれにも近いものがあるが、もっともっと絶望的で、なぜかもっともっと人間味が深い。この作品にシンパシーを覚えるのは、漫画(文芸作品)としての力によることが大きいが、それに加えて、この舞台設定が時代を先取りしている感はたしかに大きなものがある。

途中でコケたり、むやみな延命をはかったりしないで、最後まで描ききってほしい作品だ。

(坂井)

2012年5月19日 (土)

海里と卯野

最初に。この記事は、坂井が書いています。

女性の書く漫画が好きで、特に大和和紀さんと萩尾望都さんは、30年来のファンです。

大和さんは、Wikipediaによると42篇の作品をお書きになったとのこと。私はそのうち、デビュー作の『どろぼう天使』から執筆中の『イシュタルの娘』まで、37篇を読みました。

自分に子どもが生まれたら、男なら「海里」、女なら「卯野」とつけたいと思っていました。前者は『翼ある者』、後者は『ヨコハマ物語』の主人公です。この願いは、当然、米川さんによって却下されましたが、愚息の名前は、「海里」に音が通うので、ひそかに気に入っています。

大和さんの漫画は、しっとりしていますが、じめじめしていません。奔放なものと抑制的なものが同居する人物設定もみごとなものです。『ヨコハマ』の万里子と卯野の対照など、この人の資質がよく表れていると思いました。

『イシュタル』の中には、ときどき箴言のようなセリフが出てきます。あれは、大人が読むものですね。

学生時代、先輩や同級生と、大和さんの漫画について、語り合ったものです。そのうちの一人は職場の同僚です。あのころ、登場人物の名前やセリフをクイズにしたものですが、いつしかその多くを忘れてしまいました。ちょっと悲しいですが、今はウェブで調べる楽しみがありますね。

(坂井)