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2014年4月

2014年4月11日 (金)

財なすも人(自歌自註)

「ほんものの人生を君は生きて死ね」人に説きつつ財なすも人  『亀のピカソ』 坂井修一


ふらんす堂の「短歌日記」は、1年365日、毎日の出来事や思いにしたがって短歌を一首ずつ詠むという趣向で、これは、昨年3月24日の歌だった。「あなたは生きるために食べ物を食べているだけだ。食べ物をたくさん蓄えるために生きているわけではないはずだ」(キケロ)の詞書をつけた。

私たちの人生は、衣食や金銭・名誉を求めることを最終目標とするものではない。一方で最低限の金銭や地位をもたないと生きていけないし、本当に「最低限」だと生きづらいのも確かだ。この「生きづらさ」から逃れるために、人は人生のほとんどの時間、あくせくと意にそまぬことがらに費やすことになる。それでお金持ちになる、というものでもないが、気がついたらそれなりに生きやすくはなっているかもしれない。

皮肉に思わないでもないが、そういう愚かものの人生もまた、悲しくも寂しい、愛しむべき人生なのだろう。

(坂井)


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